「笑顔の君に・・・」 君が突然笑顔を失う 冷たくなった思い出だけが 僕の中に 追うこともできなくて 君は行ってしまった 君を子供のように 愛おしみ 君を母のように  慈しみ 君を神のように  信じていた 明かりの消えた街に 野良犬の遠吠えがこだまする 終わりは突然に 光は消えた 手を伸ばしても 君の肩には届かない 君を街で見つけた 話をしたかった ただ無意味な言葉で 良かった 君は他人のように  足早に行く 君は気づかぬように 背中を向ける 君は迷惑そうに   口をつぐんだ 落ち葉が風に舞い 夕焼けが空を焦がした 終わりは永遠に 炎は消えた 手を伸ばしても 君の心に届かない 君は突然現れた 僕の前に香を運ぶ 失った笑顔  聞けなかった言葉があった 僕は 嬉しくて・・・ 僕は 悲しくて・・・ 僕は ・・・・・ 雲間から銀幕が降る 静かにきらめきながら アンコールはない 思い出に包まれて 手の中に何もない 残ったのは笑顔 98/11/16 秀麗